質問にお答えします-後期第二回-

2013年10月24日 | By mori | Filed in: 心理学(2013年度).

(全文を読む場合はタイトルをクリック) 前回の講義内容に対する質問への回答です。

Q1. 自己意識は環境からもたらされる自己のあり方の特定だということがわかりました。

それでは、県民性と呼ばれるように生まれ育った地域が持つ性格は自己意識形成の上でどれだけ関係性を持つのでしょうか?例えば一般的に関西人と聞くと面白くて明るいというイメージを持つ人が多いと思います。それは成長する中で出会う人々がそのような性格の人が多かったからそのような県民性が生まれるのでしょうか?

A1. 環境からもたらされる自己のあり方の特定は「意識」であり、「自己意識」ではありません。「自己意識」は言語(言葉)を媒介にして(鏡にして)、「意識」について知ることです。言語も環境の一種ではありますが、このような意味で冒頭の文を書かれていたか、考えてみて下さい。

「それでは」以降の文で使用されている「自己意識」は、講義で使用したのと違う意味を持っています。つまり異質なものです。講義で使用した「自己意識」は、あくまで先の述べたような意味です。「県民性」と類比するような用法は、日常的にはあるかもしれませんが、講義で定義した「自己意識」とは関係ないと思います。

したがって講義内容とは独立に、この問いに答えることにしましょう。要するに、県民性と言われるような特質が身に付くのはどうしてか、出会う人々との関係で県民性は作られるのか、と尋ねているのでしょうか。多分、その通りだと思います。

なお「関係性」という語は、この場合正しい使い方ではないと思います。単に「関係」と言えばよろしいです。「関係性」とは「関係のあり方」という意味なので、注意して下さい。心理学、特に臨床心理学を学んでいるとこの言葉をよく使うようになりますが、しばしば間違って使用されています。注意して下さい。さらに、「県民性と呼ばれるように生まれ育った地域が持つ性格は自己意識形成の上でどれだけ関係性を持つのでしょうか。」という文も、もう少しわかりやすく整理した方がよいと思います。せっかくのよい問いも、正確に伝わらなければもったいないですよね。


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