質問にお答えします-第1回-

2015年10月8日 | By mori | Filed in: 心理学(2015年度後期).

(全文を読む場合はタイトルをクリック) 前回の授業内容に対してなされた質問への回答です。

Q1. デカルトは大脳で唯一対称ではない器官だから松果腺と言ったとありましたが、調べたところ松果腺は顕微鏡で見ると大脳半球に対称に分かれているそうです。デカルトの論理はすでに間違いであることを証明されているという考えにはならないのでしょうか?

補足: 今でもこのように有名ということは間違えてるとは断定されていないと考えました。

A1. デカルトは「精神(心)は統一体である。従って、精神とつながる器官も複数に分かれているはずがない」 と考えました。当時の技術水準で彼が調べた結果では、左右対称でないものは松果腺でした。しかし、最近の技術によれば、松果腺は左右対称だったのですね。そこであなたは、この結果をもって、デカルトの考えは否定されたはずだと考えたのですね。

あなたの意見は、デカルトと同じ前提を共有している限りで有効でしょう。すなわち「精神は身体と別のものであるが、身体とどこかでつながっているものだ」という前提を、です。もし前提を共有していないならば、松果腺が左右対称であろうが、一個であろうが、どうでもいい話ですよね。「デカルトの心身二元論は前提が間違っているのだから、松果腺の構造なんてもうどうだっていいじゃん」とならないでしょうか。

有名なのは、別に真実だからではありません。そういうことを考えた時代もあった、という意味で有名なことだってあると思いませんか。


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