質問にお答えします-第1回-

2015年10月8日 | By mori | Filed in: 心理学概説(2015年度).

(全文を読む場合はタイトルをクリック) 前回の授業内容に対して寄せられた質問への回答です。

Q1. 本質説では人の意思を阻害するような意味での抑圧がなされる可能性があり、その反面、物質的基盤があるなら本質説でも問題ないと習いました。この本質説における物質的基盤とはどのような意味を指すのか詳しく知りたいです。

A1. 精神的な現象が、身体の状態や、身体内部で発生する物質的変化と等価であると考えてよい場合、精神的現象の物質的基盤があると言います。

Q2. 構成説において発達障害を例に挙げると、過去では、教室をうろうろしたり、落ち着いて席に座れない子供も周りの認識が、忙しない人だな、のような解釈がなされていてなんとか上手くやっていたが、現在ではそのような例があるとすぐに隔離と治療の対象になり、忙しない子という認識が周囲ではならなくなって、障害者だ、という見られ方になると思いました。構成説に則ると、見る基準が違う、となるそうですが、その基準を作っているのが文化だとすると、文化の進歩によって、治療することが出来るのはいいことだと思うのですが、見られ方によって、その対象となる発達障害を持つ人は周囲との壁を作っている。障害を持つ子が壁を作っているのではなく、文化が壁を作っているのではないか、と感じました。
 
A2. 「文化の進歩によって治る」のではなく、「文化が変わると病気だと言われなくなる」が正しいです。その意味で、ある行動や認識を病的だと規定するのは文化です。発達障害と呼ばれている人の行動や認識も、そういう文化の色眼鏡をかけないで(あるいは別の色眼鏡のもとで)見れば、「障害」とは見えないかも知れませんね。障害(者)と健常(者)の壁を作るのは文化だというのは、構成説に立つ限り、妥当な主張です。


Comments are closed here.