2011年度人文学部合同講演会

2011年度人文学部合同公演会がさる7月8日(金)に開催されました。(財)ひょうご震災記念21世紀研究機構より主任研究員の永田夏来先生を講師としてお招きして、「データでみる日本の若者の恋愛と結婚観」というタイトルで講演をしていただきました。

家族社会学がご専門の永田先生は、関西圏および関東圏でいくつかの大学で講師もつとめられ(なかには受講者300人という講義もあって毎週学生たちをときにうならせ、ときにはげましているとお聞きしています)、ご活躍されている社会学者です。ご研究の守備範囲はとても広く、ご専門の家族や夫婦関係の研究のみならず、現代社会における若者研究のプロジェクトにも参加され、継続して実施されている「青少年の性行動全国調査」などにも関わってこられました。今回の講演では、こうしたご経歴をふまえて、テーマ設定をしていただきました。

約300人の人文学部1年生、関心をもって参加した2年生以上の学生、加えて教職員がSGUホールに集まり耳を傾た講演会でのお話の内容を、かいつまんでふりかえりたいと思います。

前半の結婚および結婚観のお話では、1970年代くらいまでの戦後の日本社会と現代の日本社会を比べると、かつては結婚しやすい社会であったのに対して、いまは結婚しにくい社会となっていることが、「ハイパーガミー」(女子上昇婚)といった観点から明らかにされました。しかしながら、一方で、若者の結婚観には大きな変化はなく、多くの未婚者が「結婚意思」をもっているという現状が示されました。

変化したのはどうやら恋愛や恋愛観の方で、そのことは性行動に関する先の調査結果などからもうかがいしることができました。低年齢化や若年出産など、とかくショッキングな話題としてとりあげられがちな、若者の性行動ですが、永田先生によると、調査結果から浮かび上がる若者像は、決してそのようなふしだらなものではなく、むしろ、恋愛という関係をよりいっそう大切にするという若者のあり方でした。これは学生たちにとってもなかなか新鮮な考察だったのではないかと思います。その一方で、恋愛というものからの疎外が、現代の若者たちにとって大きなプレッシャーともなっている様子が語られました。このことは、恋愛関係に限らず、友人関係を含めた若者の人間関係全般に近年指摘される特徴でもあります。

結婚となるとまだ縁遠いのかもしれませんが、恋愛となるとぐっと身近な問題なのでしょう。受講した学生にとっては、自分たちの現状や意識を相対化する機会にもなったように思います。楽しい講演会をありがとうございました。