人間科学科教授の二通諭先生が著書を出版されました

2015,8 034

二通先生に、このほど出版された「特別支援教育時代の光り輝く映画たち」(全障研出版部)についてお話を聞きました(以後敬称略)。

-この本のタイトルには、「特別支援教育」とありますが、スクールカーストからヤクザまで、幅広い内容の映画が取りあげられています。このタイトルにはどのような思いが込められているのですか?

 二通:スクールカーストやいじめ、社会の中ではみ出し者とされる人たちなどに共通しているのは、「生きづらさ・居場所のなさ」だと思います。特別支援教育とは、障害の有無にかかわらず、親子関係、社会関係の中で「特別な支援」、つまり「助け」を必要とする人を支援し、それを主体的に乗り越えていくようにするためのものだと考えています。そのような意味で、「行きづらさ・居場所のなさ」は、まさに「特別支援」の対象だと思い、このようなタイトルでまとめました。

 ―人間科学科の二通ゼミ、あるいは全学を対象にした演習では、映画を題材にして学習を進めているそうですが、映画を利用することにはどのような意味があると考えていますか?

二通:映画を題材にする学習には、3つの異なる段階があります。第一の段階では、全員で映画を見て、ストーリーなどを把握するとともに、「同じ場所・時間に同じ映画を見た」という経験を共有します。これ自体たいへん意味のあることです。続いて第二の段階では、感想や批評を述べあいます。また、その映画の評論文などを参考にすることもあります。これにより、映画に対する異なる見方・分析的な視点などを知ることができます。そして第三の段階では、自分自身のあり方に映画で表現されている内容を重ねて考えていきます。これによって、「自分には関係のない、架空の話」ではなく、「身近な問題・自分自身の問題」として、映画をとらえなおすことができ、ひいては他者や自分自身への理解や洞察が深まるきっかけになると思います。

-この本は、どのような人に特におすすめでしょうか?

二通:映画好きの人はもちろんですが、映画の中から「多様性」を学べると考えているので、人間科学科の学生には特におすすめしたいです。映画を通じて、様々な人のいる社会のあり方を考え、私たちが陥りがちなステレオタイプ(型にはまった考え方)から脱してほしいと思います。

 この本を読み、気になる映画を見つけたら、夏休みにぜひ、本学図書館でゆったりとDVDを鑑賞してみてはどうでしょうか?友達と鑑賞会もいいですね。

<記事:舛田>